火の車の町工場で、兄弟が紡ぐ絆と思い — 70代Sさんの物語ーNO.38

高齢者インタビュー

東京郊外の小さな町工場。
そこには70代のSさんと弟さんが、兄弟二人で切り盛りしている。

派手な実績もなく、目立つ経営手腕もない。
だが、この工場には長年積み重ねた誇りと、かすかな灯火があった。

父親の急逝――その時から工場の経営は火の車だ。
借金は膨らみ、取引先も減り、苦しい日々が続いた。

「父ちゃんの背中はいつも大きくて、俺らはその影に隠れてた」
そう話すSさんの目は、少しだけ寂しさを帯びている。

兄弟で支え合いながらも、経営の重圧は兄弟の心の距離を揺さぶった。
何度も言い争い、何度も諦めかけた。

「弟とは何度もケンカしたけど、結局は兄弟だからな」

そんなSさんが、今伝えたいのは、夢の話でも華やかな成功譚でもない。
「一番大切なのは、諦めないことだ」

工場の機械が唸るたびに思う。
「俺たちは父ちゃんからこの工場を託された。潰すわけにはいかないんだ」

経営は火の車でも、兄弟の絆が火種となり、かすかな炎を守っている。


若者へのメッセージ

「夢を追うことはもちろん大切だ。だけど、責任を背負う覚悟も必要だ。

俺たちのように、背負いきれない苦労もある。

だけど、どんなに辛くても、家族や仲間と支え合えば乗り越えられる。

間違えてもいい。悩んでもいい

でも、逃げちゃいけない。

君たちの未来は、君たち自身が切り開くんだ(笑)。

人生は失敗と成功の繰り返しだとおもうよ本当に。

大事なのは、最後まであきらめずに立ち向かうことだよ。」


兄弟の誇りと工場の未来

Sさんは言う。
「工場がどうなるかなんて、正直わからない。毎日が戦いだよ。
だけど、俺たちにはもう一つの誇りがある。兄弟で支え合ってここまで来たこと。

父ちゃんが残した仕事を途絶えさせたくない。
それが、俺の使命だと思ってる」

小さな工場には最新の設備はない。けれど、手作業でしか出せない細やかな技術がある。

大きな企業にはない“人の手の温もり”が、この工場にはある。
それを知ってもらいたい。だから、俺たちはあきらめないんだ

仕事の合間、兄弟が見せる笑顔に、かすかな未来への希望が宿る。
二人で支え合い、重ねた日々の積み重ねこそが、本当の価値だと信じている。


家族のかたちと、生きる覚悟の物語

この町工場の物語は、時代に埋もれかけた“普通の人の誇り”を今に伝えている。

成功や失敗の大きさではなく、
諦めずに続ける覚悟の尊さを、静かに教えてくれる。

#兄弟の絆#日本の本気#町工場#経営者#世代継承

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時代屋こあら

こんにちは!「時代屋こあら」と申します。27歳で、大学を卒業してから転職を繰り返し今は9社目の職場にいます(笑)

私のこれまでの歩み

小学生の頃から大学までずっと野球してました!
大学卒業後は地元から東京に上京!
しましたが、、、父親が病で倒れたり、父が経営していた会社倒産したり、実家なくなったり( ;∀;)踏んだり蹴ったり!!
そんな人生歩んできても一生懸命生きてます!

このブログでは、実際に高齢者の方々にインタビューし、彼らの貴重な人生経験を共有することで、現代に活かせる知恵やヒントを探していきます。転職やキャリアに迷う若い世代の方々にも、過去の経験から学べることをお伝えしたいと思っています。
これからも、皆さんと一緒に時代のヒントを見つけていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!

占いで前世コアラって言われたので「時代屋こあら」でやってます!

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